The brain has a body: adaptive behavior emerges from interactions of nervous system, body and environment | Trends in Neuroscience (1997)
Hillel J. Chiel, Randall D. Beer
https://doi.org/10.1016/S0166-2236(97)01149-1
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動物の適応的な行動について調べるとき、神経系(Nervous System; NS)のみに注目するのは不十分なのではないか?
Naa_tsure.icon神経系のみから行動の説明まで行う研究の成功例としては、口内胃神経節(stomatogastric ganglion; STG)など
身体は神経系の前処理・後処理を行っている
前処理:聴覚情報処理
コオロギ(cricket)は鼓膜の内外の圧力差を用いて方向の検出を行っている
後処理:ローパスフィルター(Low path filter)としての筋肉
神経活動の高周波成分は無視して、低周波成分だけ動きに反映することがある
身体と神経系は共に進化/成長している
両者が上手く噛み合うことで動物が行動できる
人間の前庭(Vestibule)は四足から二足歩行へのシフトとリンクして変化している
成長とともに変化する身体にあわせて神経系を調整することでうまく体を制御する
身体は神経系に制約を与える
神経系に入ってくる情報は身体によって制限される
神経系が引き起こせる行動も身体の構造によって制限される
一方でこの制約が特定の環境における行動制御を単純化してくれる
身体や環境は常にフィードバックを与える
フィードバックは発達や学習には不可欠
身体でいくと固有受容感覚(proprioception)は運動制御の形成に重要
イナゴ(Locust)の飛翔行動パターンとか
Naa_tsure.icon環境からのフィードバックが必要という意味では、純粋な中枢パターン生成器(central pattern generator; CPG)は存在しない
神経系はオーケストラの指揮者というより、ジャズの演奏者の一人なのではないか?
Naa_tsure.iconこれは流石に極端では?
もっと極端な話もある
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